Research Abstract |
これまで、作業者に大きな負担となっていた作業道配置計画立案の労力を減らし,経験の浅い作業者でも効率的な作業道配置計画立案の指針を提示する作業道配置支援手法を検討した。作業道配置支援手法では,地形再現性の高い情報を用い,作業林分の決定,路網到達点の決定,基幹作動道の配置,支線作業道の配置を自動化した。本研究では,現在,間伐・主伐作業を行うための,基幹作動道の配置が検討されている,宇都宮大学船生演習林7・8林班を路網配置対象地と設定した。本研究での配置手法は,まず,作業道が到達する必要がある作業対象林分をLiDARデータから作成した要間伐林分指数より決定した。次に,対象林分内の作業道到達点を決定するため,船生演習林で一般的に用いられているタワーヤーダ集材を想定し,集材線の位置を決定した。集材線は地形によって架設可能な箇所が制限されるため,DTMより作成した流水線を用いて,一次谷の始点・終点を結ぶ線を集材線とした。各線の始点または終点を土場(作業点)とし,これらを結ぶ作業道配置を探索した。各作業点間を接続するドロネー網と,各点間を均一に分割するボロノイ図を作成し,それらの交点を基幹作業道通過候補点としてドロネー網を作成し,その中から最小距離で結ぶシュタイナー経路を作成した。さらに,シュタイナー経路に沿って,Dijkstra法で交点間を最小の土工量で結ぶ線を探索し,基幹作業道の位置とした。最後に各作業点すべてに到達する,支線作業道の配置を行うため,運材費・集材費を最小にする作業点の組み合わせを求め,基幹作業道までの路線を探索し路網配置することで、作業条件を考慮した基幹・支線作業道配置案が提案可能となった。
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