2010 Fiscal Year Annual Research Report
時空間知覚特性を利用した視覚情報提示システムの研究
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09J07535
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Research Institution | NTT Communication Science Laboratories |
Principal Investigator |
渡邊 淳司 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 人間情報研究部, 客員研究員 特別研究員PD
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Keywords | 視知覚 / サッカード / 視覚情報提示 / 感性判断 |
Research Abstract |
本研究課題は、一次元光源もしくは一次元光源群によって、三次元空間に広がる視覚イメージを提示する情報提示ディスプレイ技術に関する研究である。一般に、二次元の視覚情報を提示するためには二次元の光源が必要となる。しかし、観察者がサッカードと呼ばれる眼球運動を行う際に、一次元光源を高速点滅させると、それが網膜上で二次元に広がり、二次元イメージが知覚される。平成21年度は、サッカードによって生じる二次元イメージが、どこの奥行きに、どのような時間関係で定位されるか、その時空間知覚の特性を心理物理実験によって調べた。そこで、平成22年度は、サッカード像特有の知覚特性に基づきコンテンツ画像を作成し印象評価を行った。サッカード像知覚時の大きな特徴として、(1)眼球運動方向による像の反転、(2)画像の方向性による印象の変化、(3)配置による時空間の印象の変化,が挙げられる。実験の結果、特徴(1)により、左右非対称なコンテンツ画像は、本情報提示手法では動的な印象が強まることが分かった。また、特徴(2)より、「空間的」な要素と「迫力」に本情報提示手法の影響が現れた。特徴(3)から、コンテンツ画像の要素を垂直方向にずらして配置すると空間的に広がりのある印象になり、これを線分で結ぶと平面的な印象になることがわかった。これらのコンテンツ画像の2次元的特徴とサッカード時に受ける印象の関係から、本情報提示手法において、動きや空間の印象を考慮に入れて画像作成を行うことが可能となった。
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Research Products
(14 results)