2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07645
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
前田 恵子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所社会復帰研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 職務ストレス / 精神科医療 / 福祉サービス |
Research Abstract |
近年、バーンアウトの関連要因として、組織要因の重要性が認識されている。また、仕事におけるストレッサーへの適応能力を向上させるための個人への教育的介入と組織の改善を同時に行うことが最も効果的なバーンアウト対処・予防法と考えられている。本研究では、精神的なストレスと職場環境との関連について調査し、職場での組織的なアプローチにより、バーンアウトへの対処および予防について検討することを目的とした。調査に同意が得られた精神科訪問型サービスを実践する全国7施設とそのスタッフを対象とした。バーンアウトには、Maslach's burnout inventory日本語版、職場環境については、Organizational checkup surveyと職業性ストレス調査票の関連項目を使用した。その結果、個人属性と職場環境、仕事量、役割、職務満足の項目について、現職希望者と退職、転職希望者の間で優位差がみられたが、職場の物理的環境との間には関連が見られなかった。またバーンアウトとの関連においては、職場環境、特に役割に疑問を感じているスタッフほど、情緒的消耗度が高いことが明らかになった。今後、バーンアウト対処・予防法という観点から検討をおこなうためには、職場での意思決定やコミュニケーション及びチームワークのあり方などの要因についても、調べる必要がある。
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