2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07645
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
前田 恵子 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 職務ストレス / 精神科医療 / 福祉サービス |
Research Abstract |
本研究では、訪問型サービスを実践する臨床スタッフ65名を対象として、職務ストレッサー及び対人援助職特有のストレス反応であるバーンアウトに対するソーシャルサポートの影響を明らかにすることを目的とした。方法は自記式質問紙を用いた調査を行った。質問紙には、この研究の目的と得られたデータの扱いについて記した書面を添付し、調査に対して同意の得られた対象者のみ回答を得た。ソーシャルサポートの測定には、Norbeckが開発し、著者らが日本語に翻訳・修正したNorbeck Social Support Questionnaire(NSSQ)を使用した。NSSQはソーシャルサポートの要素のうち、(1)サポートタイプ(2)サポートの源(3)サポート機能について、また、全般的なサポートとともに、個別の人物からのサポートをも評価することができる。サポートの機能は、他者への肯定的な情緒表現(affect:情緒的サポート)、他者の行動、認知や見解の肯定、是非(affirmation:評価的サポート)他者への物質的援助(aid:道具的サポート)の3種類に分けて測定できるのが特徴である。結果は、従来から有意な差が報告されている仕事の裁量度とバーンアウトの関係には有意差がみられなかった。サポートの源としては家族からのサポートより職場の同僚によるサポート、サポート機能としては、情緒的サポートに職務上のストレッサーを減少させる傾向が認められた。これらのストレッサーはバーンアウトと有意な正の相関がみられたことから、ソーシャルサポートにはバーンアウトを抑止する効果があると考えられた。
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