2009 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類培養細胞の細胞分裂期におけるRNAの同定と蛍光可視化による位置情報解析
Project/Area Number |
09J07660
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
千葉 磨玲 The Graduate University for Advanced Studies, 先導科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ノンコーディングRNA / マイクロアレイ解析 / 分裂期染色体 / マイクロRNA / fluorescence in situ hybridization(FISH) / 可視化技術 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒトを含む哺乳類細胞を用いて、細胞分裂期におけるRNAの同定を行い、細胞分裂期におけるRNAのネットワーク機構の解明を目指した、統合的な位置情報の決定を行うことである。 1.哺乳類細胞分裂期染色体に局在するRNAの可視化 哺乳類細胞分裂期染色体に存在する全RNAの局在パターンを確認するため、Vero細胞、Indian muntjak細胞を用いて分裂期中期染色体展開標本の作成を行い、sytoRNA select、TOPRO-3で染色を行ったところ、分裂期染色体上に存在するRNAに顕著なパターン、とくにテロメア領域およびセントロメア領域にRNA由来の強いシグナルが検出された 2.哺乳類細胞分裂期染色体周辺部に局在するRNAの可視化 これまでの研究から、Vero細胞の分裂期細胞において顕著な染色体を覆い囲む領域を、「分裂期染色体包括領域:mitotic chromosome coating sphere(MiCCS)」と呼んでいる。この領域が他の哺乳類細胞およびヒト腫瘍細胞においてどのように観察されるか確認をするために、ハムスター由来であるBHK-21、Indian muntjak、HeLa、T98G細胞を用いて同様の実験を行った。その結果これら細胞でも、Vero細胞で見られるようなMiCCS領域を確認することができた。 3.ヒト培養細胞・細胞分裂期に存在するRNAの同定及び定量解析 分裂期細胞に特異的なRNA分子の同定を行う目的で、マイクロアレイチップを用いた解析を行った。その結果、間期細胞と分裂期細胞で比較したところマイクロアレイでのシグナル比が4倍以上または1/4以下のものがmRNAでは数十種類、マイクロRNAでは十数種類になることが明らかになった。 4.Mitotic 3D-RNA-FISH法によるヒト培養細胞分裂期におけるRNA(mRNA/miRNA)の局在の同定 ヒト培養細胞分裂期に存在するRNAの可視化を行うため、相補的なプローブ(LNA-DNA probes)をデザインして、Mitotic 3D-RNA-FISH法を用いて解析を行った。その結果、これらのRNA分子は、分裂期染色体上、分裂期染色体包括領域(MiCCS)、分裂期細胞質、および分裂期細胞膜に局在を示すことが確認された。
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Research Products
(4 results)