2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07674
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 尚也 Waseda University, 文学学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 協働 / 事例分析 / 社会調査 / 政治意識 / 尺度開発 |
Research Abstract |
本年度は、第1に従来の論文化された協働事例を収集・集積し、理論枠組みの精緻化を行った。具体的には、従来の協働に関して論文化されている事例をコーディングし、多変量解析によって分析した。その結果、学校や教育関係の協働では協働が円滑でない現状がうかがえ、研究者等によって報告され、環境や計画策定に関わる事例では、案に成功を示唆する記述がみられることが示された。行政関係者によって報告され、公募によらない委員会や協議会との協働では、成功に関する記述が多いことが示された。他方、公募委員会やNPOとの協働では、行政評価やしくみづくりが取り上げられ、成否に関する記載はみられなかった。また、協働の成功理由としては、協働の場を設けることが多く挙げられたが、その場で、住民と行政とがどのように相互作用を行うかは、地域特性や住民の特徴によって変化することが示唆された。第2に、「政治現象に対する市民の興味の継続を促す要因の抽出」および「地域社会の社会関係資本を強化する要因の抽出」という2つの視点から2つの研究を行った。2009年8月の衆議院議員選挙の直後と、3ヶ月後に時系列で大学生を対象に調査を行い、政治現象に対する青年の興味を喚起させ、持続させる要因について検討を行った。続いて、大学生対象の予備調査とWEB調査に基づき、政治への市民の興味を低減させる要因と捉えられる「あいまい自体における対処の形式性追求傾向尺度」の開発を行った。今後は、これらのデータ解析を深めるとともに、住民と行政との協働事態における具体的な相互作用と、一般住民の協働に対するイメージや協働に対する参加志向性とを分離した上で、それぞれに寄与する要因を精緻化し、モデル化していく必要がある。
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Research Products
(7 results)