2009 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理計算による窒化物半導体結晶の気相成長における表面反応過程の解明
Project/Area Number |
09J07678
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 ひかり Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 窒化物半導体 / 第一原理計算 / 気相成長 |
Research Abstract |
窒化物半導体はその優れた物性から、発光・受光デバイスや電子デバイスへの応用が期待されており、すでに青色LEDなど一部のデバイスは実用化に至っている。しかし、次世代デバイスを実現するためには現在よりも高品質な窒化物半導体結晶が必要とされている。高品質な結晶を成長するためには、結晶成長過程を原子.分子レベルで理解し、また制御することが重要であると考えられる。現在、真空下で行われる結晶成長に関する研究は、実験・理論の両面から進められている。一方で、基板結晶やデバイスの作成に用いられる気相成長法における結晶成長過程ではキャリアガスとして用いられる水素が成長過程に関与していると考えられるが、これに関する研究はほとんどなされていない。そこで、1)水素雰囲気下におけるGaNおよびAlNの分解過程、および2)気相成長法におけるGaNの結晶成長過程の2点について、第一原理計算を用いて解析を行った。 1)水素雰囲気下においては結晶表面が水素終端されると考え、水素により再構成した表面から原子または分子が脱離するモデルを考えた。解析の結果、GaNの場合GaはGaHとして、NはNH_3として脱離していくことを明らかにした。一方AlNの場合、Nは同様にNH_3で脱離するが、AlはAlHとして表面から脱離した後、AlH3を形成することが明らかとなった。」 2)III族原料はGaClおよびGa、V族原料はNH_3およびそれが分解して生じるNH_2、NH、Nを考え、これらが結晶表面に吸着する過程について解析を行った。III族原料では、GaCl・GaともにH3サイトに吸着する場合が有利であることが明らかとなり、一方V族原料ではNH_3がon-topサイト、NH_2がBridgeサイト、NHとNはH3サイトに吸着する場合が有利であることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)