2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07681
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 邦生 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 核輸送 / 細胞周期 / 分裂酵母 |
Research Abstract |
核は核膜によって細胞質と隔てられており、核-細胞質間輸送(以下、核輸送)は遺伝子発現や微小管形成を含めさまざまな細胞生命現象と関わっている。私は、核輸送制御と細胞周期進行の関連について分裂酵母を用いて解析を進めている。前年度まで、核分裂が2回連続して起きる減数分裂における核輸送について注目してきた。分裂酵母では核膜崩壊しないが、減数分裂における2回目の核分裂(第二分裂)では、核マーカータンパク質および細胞質マーカータンパク質が核と細胞質で均一化した。このことから、核輸送が変化していることが示唆された。また、この核輸送の変化は、胞子形成に関わるSpo4-Spo6キナーゼ複合体の変異体では起きなかった。今年度、早期に胞子形成してしまう変異体では、核輸送の変化が早まることを確認した。一方で、胞子形成などに関わる遺伝子の変異体における核輸送を調べたところ、小胞輸送に関わるSpo14の変異体では、核輸送の変化が著しく遅延した。続いて、核膜の透過性を調べることを試みた。核局在シグナルなどを欠いたマーカータンパク質は、細胞全体に分布した。この細胞質シグナルのみをブリーチし、核シグナルの挙動を観察すると、第二分裂では素早く消失した。このことから、能動的な核輸送だけでなく核膜の透過性が高まることも示唆された。これまでの結果から、第二分裂において核輸送の制御が一時的に変わり、この現象が胞子形成、とくに小胞輸送に、密接に関わっていることが考えられる。
|
Research Products
(1 results)