2011 Fiscal Year Annual Research Report
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09J07712
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米倉 和也 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 素粒子論 / 超対称性 |
Research Abstract |
今年度は、Tevatron実験やLarge Hadron Collider実験などで大きな実験的進展がありました。 私は、素粒子の標準模型を超えた物理を記述する最有力候補と目されている超対称性理論の枠内で、これらの実験を説明する模型を提案しました。 まず、Tevatron実験では、dijet+leptonのシグナルにおいて、dijetのinvariant massにピークが発見されました。このピークを説明できる模型としてanomaly mediationの模型を考察しました。このシグナルで観測されるleptonは、Wボソン起源であると多くの人が考えていましたが、R-parityが破れているようなときは、超対称粒子のstauでもこれが説明可能であることを示しました。 次に、Large Hadron Collider実験では、ヒッグス粒子であると解釈可能なシグナルが発見されました。もしそうであれば、ヒッグス粒子の質量はおよそ125GeVになります。超対称性理論では、このヒッグス粒子の質量は従来予想されていた値よりも若干大きな値であり、標準的な超対称模型のパラメータ領域を厳しく制限します。私は、より高エネルギー領域において強結合であるような模型を構築しました。この模型では、125GeVのヒッグス粒子を容易に説明することができます。特に、標準的な模型と異なりパラメータ領域はさほど制限されないという利点があります。それゆえ、超対称模型の存在を示唆しているミューオンの異常磁気能率の実験と無矛盾な模型となっています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
標準模型を超えた超対称模型で非常に満足いくものが構築できた。あとは実験結果が出るのを待ちたい。
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Research Products
(5 results)