2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07716
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小栗 秀悟 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ニュートリノ / 原子炉モニタリング / ステライルニュートリノ |
Research Abstract |
実験の目標は、1tクラスのプラスチックシンチレータによるニュートリノ検出器を開発し、原子炉由来のニュートリノスペクトルを正確に求めることである。過去に測定された原子炉由来のニュートリノスペクトルは理論と少しずれていることが知られており、これを正確に測定することは未知の粒子の発見につながる可能性がある。 平成22年度は、160kgのプロトタイプを改良し、浜岡原子力発電所において試験測定を行った。以下にその経緯を述べる。 ・プロトタイプの改良 年度の前半は、主にプロトタイプの改良を行った。改良前は机の上に直接検出器を設置していたが、原子力発電所への運搬のために、検出器の構造を変更し可搬性を向上させた。この可搬性と遮光性能を両立するために、破れやすい黒ビニールシートの使用をせず、独自の遮光するための機構を開発した。また、以前の検出器で課題であったエネルギーキャリブレーションをより正確にできるように、放射線源を挿入できるような機構を作成した。 ・データ取得系の整備、運用システムの開発 年度の後半は、主にエレクトロニクスの改良を行った。最も大きな成果は、データ転送速度が向上したことである。これにより、測定のlive timeが大きく向上した。 これと同時に、発電所での長期間無人運転のための運用システムの開発を行った。発電所は入所するためには手続きが必要で、頻繁に直接メンテナンスをすることは困難である。そのため、異常をいち早く察知し、正確に状態を把握することが要求される。ドコモ回線のネットワークを利用し、メールやWebを通じて検出器の様子を監視するためのシステムを構築した。 ・浜岡原子力発電所での測定 中部電力浜岡原子力発電所にて、改良したプロトタイプ検出器の試験運用を行った。
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Research Products
(3 results)