2009 Fiscal Year Annual Research Report
群型壁面移動ロボットAnchor Climberの開発
Project/Area Number |
09J07743
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 真崇 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 壁面移動ロボット / 群型ロボット / 磁気吸着装置 / リール機構 / 差動機構 |
Research Abstract |
複数台の子機と1台の親機をワイヤにより連結した群型壁面移動ロボット"Anchor Climber"の開発を行う.子機は,最大限の吸着力で壁面に吸着する静止状態と,壁面から剥がれ落ちない最低限の吸着力を生成しながら自由に移動可能な状態の,2つの吸着状態を切替可能とし,各子機および親機が交互に移動する.ここで,「永久磁石の強力な内部吸着力をバネユニットで補償することで,壁面からの容易な離脱が可能な装置」であるIBマグネットを用いて子機の吸着力を制御することで,この機能を実現する. IBマグネットは,塗装のない壁面上では原理的にはゼロの力で吸着力制御が可能だが,塗装のある壁面上では適切な補償が行えずにエネルギロスが生じる.これを防ぐために,壁面上の塗装の厚さと同じ距離だけバネ固定部をユニット内で移動させ,永久磁石の吸着力とバネの弾性力をバランスできる機構を搭載した子機を提案および作成した.この改良型子機を用いて,鉄板上に仮想的な塗装面である非磁性体のアルミ板を挟み,補償力が適切に調整可能で,少ないエネルギロスで吸着力が制御できることを確認した.これにより,子機を利用可能な環境が大幅に増加したと考えられる. また,リールユニットでのテザーのバックラッシュを回避するための,高トルク巻き取り・低張力巻き付けを同時に行える,遊星歯車を用いた差動型リール機構を提案した.本機構では,テザーはVプーリに噛み込んで張力の大半をかけ,スプールには緩く巻き付けられていく.アクチュエータからの駆動力が遊星歯車ユニットのサンギアを介して,リングギアからはスプールに増速されて,キャリアからは減速されてVプーリに伝達される.この機構の試験機による錘巻き上げ実験を行ったところ,20kgの錘を巻き上げてもテザーはスプールに緩く巻き付けられ,試験機はそのコンセプトを満足できていることがわかった.
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Research Products
(3 results)