2009 Fiscal Year Annual Research Report
RNAi機構を介したヘテロクロマチン構造形成における分裂酵母Chp1の新規機能の解析
Project/Area Number |
09J07753
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
石田 真由美 Kwansei Gakuin University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 転写制御 / ヘテロクロマチン / RNAI |
Research Abstract |
1.Chp1-CDのRNA認識能とH3K9me認識の相互関連の解析 Chp1のクロモドメイン(Chp1-CD)とRNAとの相互作用を解析するゲルシフトアッセイにおいて、9番目のリジンがメチル化されたヒストンH3(H3K9me)ペプチドの添加による変化を解析した。その結果、RNAと結合しているChp1-CDのバンドが、H3K9meペプチドの添加によりスーパーシフトすることが確認された。これにより、Chp1-CDはメチル化ヒストンテイルとRNAの両方を同時に認識できることが示唆された。さらに、H3K9meペプチドの添加により、Chp1-CDのRNA結合が促進されることも確認された。以上より、Chp1-CDの有するRNAとH3K9meへの結合に相乗的な関係があることが示唆された。本研究での課題の一つとしてChp1-CDの三次元構造の解明を提案していたが、昨年その構造が他の研究チームにより報告された(Schalch et al.Mol.Cell 2009)。しかし、解かれた構造とRNA結合との関連は未だ明らかにされていないため、Chp1-CDのRNAとの結合様式の解明を目指し、現在タンパク質発現条件等について検討を行っている。 2.Chp1-RNA認識モチーフ(RRM)内でRNA認識に必須な領域の同定 これまでの研究から、Chp1はN末端のCDだけでなく、中央領域のRRMを介してもRNAに結合できる事を見出していた。Chp1の機能とRRMのRNA結合活性について詳細に解析するために、RRM内でRNA認識に関わる領域の特定を試みた。RRMの部分欠損タンパク質を用いたゲルシフトアッセイにより、RNA結合に必要な領域を限局していった結果、374番目のプロリンから393番目のリシンのアミノ酸配列を欠損するとRNAとの結合が見られなくなったことから、この20アミノ酸残基がRRM内のRNA認識に必須な領域であることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)