2009 Fiscal Year Annual Research Report
液体中微小ギャップにおけるマイクロ放電とその応用に関する研究
Project/Area Number |
09J07799
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金丸 誠 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 液中微小ギャップ放電 / 微細放電加工 / 放電路の形成 / 三角波電流 / 単発放電痕 / 微細電解質溶液流 |
Research Abstract |
液中微小ギャップにおける放電は気泡や衝撃波の発生、液体の熱膨張、固体・液体・気体の3種類の相転移が加わり、複雑な過程が進展する。放電開始と放電路の形成の現象を理解できれば、微細放電加工において所望の位置で制御性の高い放電生成が可能になると考え、レーザ・シャドウグラフ法、マッハツェンダー干渉計を用いて測定をおこなった。放電路の形成は電極の極性、導電率、電界分布により影響を受けることがわかった。ワイヤ電極先端付近の電界は60MV/mの高電界となっている。水中の放電では、水中に存在するマイクロバブル内で高電界によって絶縁破壊し、その後、衝突電離が放射状の進展に寄与しており、枝状先端の電界放出が成長と進展に関与している。次に、加工に最適な電流波形を検討するために三角波電流の電流ピーク値、パルス幅、立ち上がり・下がり時間をパラメータとして発生するプラズマの特性と放電痕形状・放電痕体積を調べた。単発放電痕直径は電流ピーク値に依存し、単発放電痕深さは電流パルス幅に依存することを明らかにした。加工領域の微細化のために、電流ピーク値を低くし、加工速度向上のために電流立ち上がり時間を短く、電流立下り時間を長くする必要がある。 プラズマが液体と積極的に関与する新しい反応場として、微細電解質溶液流を用いた方法を開発した。内径180μmの微細なノズルから電解質溶液流を流すことで液流に沿った放電を可能とした。放電の安定生成条件および放電特性の評価を行い、金属微細加工への応用を検討した。この方法はマスクレスの微細加工、表面改質、着色技術への応用が期待できる。また、イオンの挙動、プラズマ・液体界面物理を開拓可能である。
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Research Products
(9 results)