2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内における核酸高次構造の機能解析を指向した低分子蛍光プローブの創製研究
Project/Area Number |
09J07819
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
寺 正行 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員DC2
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Keywords | グアニン四重鎖 / G-quadruplex / テロメスタチン / 蛍光プローブ / 転写制御 |
Research Abstract |
グアニン残基の豊富な核酸塩基配列では、しばしばグアニン四重鎖構造(G4)と呼ばれる三次元構造が形成されることがin vitroで報告されている。G4を形成し得る塩基配列は主に遺伝子プロモーターにおいて見出されており、G4は遺伝子の転写調節に関わることが示唆されている。そこで本研究では、G4に対する相互作用能の高い低分子化合物の創製を目的とし、大環状ヘプタオキサゾール(7OTD)の開発および機能評価を行った。すなわち、天然のG4結合剤であるテロメスタチンの平面性に着目した分子設計を行い、大環状ヘプタオキサゾール骨格7OTDを開発した。7OTDはテロメスタチンと同等以上の強力なG4安定化活性を示すと同時に、二本鎖DNAには相互作用しないことがわかった。また、7OTDの側鎖部位における構造活性相関の知見から、7OTD骨格自身がG4と強い相互作用能を有することが示された。さらに、アミノ基を側鎖に有するL1H1-7OTDは、細胞レベルでテロメアG4への相互作用が示唆され、がん細胞に対して極めて強力な増殖抑制活性が認められた。 次いで、以上の結果をもとに蛍光G4リガンドの創製とG4可視化への応用を行った。前述したL1H1-7OTD側鎖に対して蛍光官能基であるBODIPYをアミド結合により結合させ、蛍光G4リガンドL1BOD-7OTDを創製した。L1BOD-7OTDはG4と強力に相互作用し(数ナノmol/Lレベルの解離定数)本構造を可視化することに成功した。さらに、生細胞(HeLa細胞)に対してL1BOD-7OTDを添加したところ、LIBOD-7OTDは細胞膜を透過し、核内へ移行することが示された。これによりヒト細胞内においてG4が形成される可能性を示すことができた。
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[Journal Article] Disabling c-Myc in Childhood Medulloblastoma and Atypical Teratoid Rhabdoid Tumors by the Potent G-Quadruplex Interactive Agent S2T1-6OTD2009
Author(s)
T.Shalaby, A.O.von Bueren, M.-L.Hurlimann, G.Fiaschetti, D.Castelletti, T.Masayuki, K.Nagasawa, Al.Arcaro, I.Jelesarov, K.Shin-ya, M.Grotzer
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Journal Title
Molecular Cancer Therapy 9
Pages: 167-179
Peer Reviewed
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