2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内における核酸高次構造の機能解析を指向した低分子蛍光プローブの創製研究
Project/Area Number |
09J07819
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
寺 正行 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | グアニン四重鎖 / G-quadruplex / ペプチド核酸 / ポリオキサゾール / テロメスタチン / テロメア |
Research Abstract |
グアニン残基の豊富な核酸塩基配列では、グアニン四重鎖構造(G-quadruplex:G4)と呼ばれる核酸高次構造がしばしば形成される。G4は、染色体末端に存在するテロメアや、種々の遺伝子プロモーター、mRNAに存在することが試験管レベルで知られている。G4はテロメア領域ではテロメア長の調節に関与し、遺伝子プロモーター領域やmRNAでは対応する遺伝子の転写、翻訳に関与することが示唆されている。しかし、G4が細胞内において形成されているかの直接的な証明、さらにはG4モチーフ(数多くの遺伝子プロモーターG4や、mRNA-G4はそれぞれ特有の構造モチーフを有する)を個々に選択的に安定化するリガンドの設計手法は開発されていなかった。 昨年度までに、G4に対する蛍光低分子リガンド(蛍光G4リガンド)の開発を行い、細胞中においてG4が形成される可能性を示した。今年度は、開発したG4リガンド、大環状ヘキサオキサゾール(60TD)の側鎖部位に対し、人工核酸の一種であるペプチド核酸(PNA)を導入した60TD-PNAキメラ化合物の合成を行った。当該化合物は、60TD部位がG4を安定化すると同時に、PNA部位がG4の近傍に存在する核酸塩基配列と相補的水素結合を形成することで、強力な結合能とG4モチーフ選択的な安定化能が期待できる。実際に、G4形成配列を有するmRNAの一つであるN-RAS mRNAを用いて60TD-PNAキメラ化合物の結合定数を算出したところ、10-80pmol/Lの結合定数を示すことがわかった。一方、PNA部位のミスマッチ配列を用いて60TD-PNAキメラ化合物を評価したところ、結合様式がN-RAS mRNAの場合と異なることがわかった。今後、60TD-PNAを結合するリンカー部位の種類や長さ、PNA部位の残基数を調節することで、G4モチーフ選択的なリガンドの創製が期待できる。
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[Journal Article] A Novel Glucosylation Reaction on Anthocyanins Catalyzed by Acyl-Glucose-Dependent Glucosyltransferase in the Petals of Carnation and Delphinium2010
Author(s)
Y.Matsuba, N.Sasaki, M.Tera, M.Okamura, Y.Abe, E.Okamoto, H.Nakamura, H.Funabashi, M.Takatsu, M.Saito, H.Matsuoka, K.Nagasawa, Y.Ozeki
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Journal Title
Plant Cell
Volume: Vol.22
Pages: 3374-3389
Peer Reviewed
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