2010 Fiscal Year Annual Research Report
犯罪被害からの「回復」に向かう要因の分析-多様で総合的な被害者施策構築に向けて-
Project/Area Number |
09J07820
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
滝口 涼子 上智大学, 総合人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 犯罪被害者遺族 / 犯罪被害者運動 / 犯罪被害者支援 / エンパワメント / ソーシャルサポート / ソーシャルアクション / 質的研究 / 事例分析 |
Research Abstract |
前年度からの研究を継続し、犯罪被害者等への支援と、社会全体が被害者の視点を大切にして被害者等を総合的にサポートできる環境づくりを目的として活動するNPO法人のメンバーである被害者遺族2名および支援者3名に対し、インタビューを行った。この調査結果から、遺族が、被害体験や命の大切さを伝え、少しでも犯罪被害に苦しむ人を減らすことをめざして行っている講演活動を事例として取り上げ、遺族の講演活動に求められる支援について、ソーシャルサポートの概念から分析し、日本社会福祉学会第58回秋季大会にて口頭発表を行った。さらにこのインタビュー調査の結果を、犯罪被害者遺族のエンパワメントの過程をテーマとして、2007年に実施したインタビュー調査研究と合わせてまとめるため、エンパワメント、ソーシャルサポート、ソーシャルアクションの概念と理論について文献レビューを行った。またこれらの質的調査研究の方法についても文献をレビューし直し、主にデータ分析方法について検討した。また、わが国において、犯罪被害者・遺族のための法制度や支援体制が、犯罪被害を経験した当事者の力により急速に発展してきた歴史をまとめ、伊藤冨士江編著『司法福祉入門-非行・犯罪への対応と被害者支援』(上智大学出版)のコラムを執筆した。今後は、アクションリサーチや防災教育に関する研究についての文献・教材をもとに、犯罪被害者の当事者活動の支援に役立つ実践的研究(被害者・遺族による講演の前後に用いるワークショップ用の教材開発など)を進める。
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Research Products
(2 results)