2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境政策の高度化に関する技術開発と国際比較研究―ELV関連法制度を事例に―
Project/Area Number |
09J07841
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
車 佳 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 自動車リサイクル |
Research Abstract |
マスターデータの検証とシナリオ分析、中国型自動車リサイクルの政策提言 本年度では、まず昨年度に蓄積されたデータに加え、環境・経済性のシナリオ分析(諸要因によるシミュレーション)を試みた。さらに、使用済み自動車に含まれる資源の種類と重量を把握するため、より精緻な精密解体を実施し、構成部品と物質を詳細に分別、分類し、物質構成(金属類)についてデータ収集・分析を行った。特に、1,600cc以下の小型乗用車1台から鉄900kg、銅37.5kgが回収できることがわかった。 また、中国の大都市である上海市・北京市の現地調査・分析を通して、資源の確保、雇用拡大という政策方向性の仮説を定めて、基礎的なシナリオ分析(人件費と再生資源の価値の関係)を行った。人件費の変動は中国の労働局によれば、2009年の平均給料は2007年から約35%増加したことがわかった。これを参考に、今後大都市の人件費が25%、50%上昇した場合を想定し、人件費上昇と再生資源の価値の関係を分析した。なお、ここで使った再生資源の価値は、小型乗用車から900kgの鉄スクラップと37.5kgのハーネス(銅)が回収できると想定し、試算には使用済み自動車スクラップとワイヤーハーネスの相場を適用した。基礎的なシナリオ分析結果によれば、25%以上人件費が増加すれば、経営環境が厳しくなり、50%以上増加した時点では、機械化への転換(破砕設備、溶融炉など)を考慮せざるを得ない状況になる。その結果を整理し、中国型自動車リサイクルシステム構築のための政策提言を行った。
|
Research Products
(6 results)