2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07847
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
山畑 倫志 Tokyo University of Foreign Studies, アジア・アフリカ言語文化研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | インド語学 / インド文学 / インド哲学 / 韻律 / コーパス研究 / 国際情報交換 / インド / 多国籍 |
Research Abstract |
報告者の研究対象は中期インド語の一つであるアパブランシャ語とその文学である。言語類型論とインド言語史およびインド文学史の点から研究を行っている。今年度の研究成果として次の六点をあげる。 1.後期中期インド語アパブランシャ語文献とその言語的特徴 アパブランシャ語は中期インド語の中でも新層に分類される言語である。また非サンスクリット語の伝統の一つでもある。言語上の特徴としては古期から近代インド語への変化を示す言語である。AA研コーパス研究ユニット研究発表会で発表。 2.Desi概念の成立について プラークリット諸語の語彙について、サンスクリット語起源とはされない語彙をdesiというカテゴリーに置くことは六世紀以来の文法書などに見られる。その中でもHemacandraはたとえサンスクリットの対応語が推測できるものであってもdesiとして扱っていることを明らかにした。印度学宗教学会第52回学術大会で発表。 3.ジャイナ教説話におけるクリシュナ インドの説話において重要なクリシュナはジャイナ教説話にも取り入れられている。その一つであるRitthanemicariuにおいてはヒンドゥーのものに対して細かな改変は見られるのに対して、同著者によるPaumacariuのように大きく筋を変えることはない。北海道印度哲学仏教学会第25回学術大会で発表 4.アパブランシャ語の能格構造における揺れ アパブランシャ語には分裂能格があるとされるが、単純に能格構造とは言い切れない例が多数見られる。アパブランシャ語の自動詞には他動詞の主語を示すものと一致する形式をとる文が存在するためである。それらの自動詞は意味で分類するとより明白な分布を示す。そういった文例を集め分析した。14th World Sanskrit Conferenceで発表。 5.コーパス及び韻律分析プログラムの作成 コーパス作成に向けてデータベースソフトとしてMySQL、文字列操作言語としてRuby、統計処理言語としてRを採用し、入力されたテキストから統計処理までの手順を構築した。Corpus Analysis and Diachronic Linguisticsで発表。
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Research Products
(6 results)