2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07847
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
山畑 倫志 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | インド語学 / インド文学 / インド哲学 / 韻律 / コーパス研究 / 国際情報交換 / インド / 多国籍 |
Research Abstract |
報告者の研究対象は中期インド語の一つであるアパブランシャ語とその文学である。言語類型論とインド言語史およびインド文学史の点から研究を行っている。今年度の研究成果として次の四点をあげる。 1.アパブランシャ語の格と韻律の関係について アパブランシャ語説話文献の一つであるPaumacariuを調査対象として韻律と格形式との関係について分析した。その結果、韻律と格語尾の間には一定程度の関係があり、格語尾の選択の際に影響を与える一要素とみなすことは妥当であるとの結論に達した。日本印度学仏教学会第63回学術大会(2010年8月31日)および『印度学仏教学研究』,第59巻第2号において発表。 2.コーパスを利用したアパブランシャ語の分類の検討 前年度に作成したアパブランシャ語コーパスを用いて主にTagare(1948)によるアパブランシャ語の分類の妥当性を検討した。アパブランシャ語の文章語としての統一性に着目し、Tagareが言語的差異としている諸特徴をスタイルの差、とくに古形の使用の多寡の点で区分可能ではないかと考え、調査した。その結果、個々の形式では古形の多寡によって分類の差異が説明できるが、検討した特徴すべてに共通する傾向は見いだしがたかった。そのためさらに異なる要素の検討が必要であるという結論に至った。corpus Analysis and Diachronic Linguistics (John Benjamins,印刷予定)において発表。 3.Hemacandraと韻律文献 Hemacandra(12世紀)はグジャラート、ラージャスターンを中心とした西インドにおけるプラークリット諸語やアパブランシャ語の文学について様々な面からまとめあげたジャイナ教徒の学者である。彼は文法や語彙などについて後代の規範となる文献を残しており、韻律についても著作がある。『印度哲学仏教学』第25号(印刷予定)にて発表。 4.小規模なアーカイブズにおける資料管理の方法について 大規模なシステムを持つことができない小規模な文書館において、いかに簡便に利用可能な検索システムを構築できるかを検討し、データベースとしてMySQL、Webアプリケーション開発言語としてColdFusionを用いて検索システムを作成した。
|
Research Products
(4 results)