2010 Fiscal Year Annual Research Report
国立ハンセン病療養所における集合的実践-当事者運動とサークル活動を事例として
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09J07869
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
有薗 真代 立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ハンセン病 / 患者運動 / 医療社会学 |
Research Abstract |
本研究は、インタヴュー調査と文献資料の収集・分析に基づいて、戦後日本のハンセン病療養所において生起した多様な集合的実践の生成・展開過程を明らかにするとともに、隔離政策下に置かれた人々にとっての集合的実践の意味や効果について考察することを目的とする。対象時期は、第二次世界大戦終戦(1945年)から現在までとする。 申請者は、平成22年度の前半は、博士論文を執筆していた。執筆の途中で、データ的にやや手薄と思われる箇所があったので、各地の療養所(多摩全生園など)で補充調査を実施した。また、北九州に在住の元ハンセン病療養所入所者(現・退所者)の自宅に数回訪問し、聴き取り調査を行った。 博士論文のタイトルは『国立ハンセン病療養所における集合的実践-政治的実践・文化的実践・生活実践を事例として』である。本論文は、2010年6月4日、調査委員3名が論文内容とそれに関連した事柄について試問した結果、合格と認められた。 本論文は、平成23年度中に、著書として世界思想社より刊行される予定である。申請者は、平成22年度の後半は、本著の刊行に向けて、博士論文で検討が不十分であった点について調査と考察を進めてきた。具体的には、他の隔離施設の集団との関係性を調べるため、東京の結核研究所や、国立国会図書館等で、資料収集を行った。また、引き続き北九州の退所者の協力を得て、福岡県内に在住の他の退所者に対して、聴き取り調査を実施し、療養所内の集団的な活動に関するデータを蓄積した。
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