2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07879
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 将起 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 強磁性半導体 / 電界制御 / 電界効果素子 / 電気二重層トランジスタ |
Research Abstract |
強磁性半導体(Ga,Mn)Asをチャネル層に有する電気二重層トランジスタの作製及び評価を行った。電気二重層トランジスタはホールバー形状とした(Ga,Mn)Asと側近に配置した白金コイルまたは基板上に作製した金パッドゲート電極上に電解液を塗布後することによって作製した。電解液塗布前に真空中で90度に加熱することによって水分を取り除いた。本研究において、電解液はポリエチレンオキシド(分子量2000)に過塩素酸カリウムを溶解させて作製した。本電解液は室温で固化している。(Ga,Mn)As側が陰極(キャリア空乏)となる方向にゲート電圧を印加すると、(Ga,Mn)Asのシートコンダクタンスはゲート電圧に対してほぼ線形に減少した。一方、陽極(キャリア蓄積)とした際には-1Vのゲート電圧までは線形にシートコンダクタンスは増加したが、その値を超えると次第に減少を始め、その後0Vに電圧を戻しても電圧印加前の値よりも低いシートコンダクタンスとなった。これは(Ga,Mn)Asと電解液の活性化エネルギが-1Vであり、その値を超えた際に(Ga,Mn)Asの酸化又は溶解反応(陽極酸化反応)が生じ、膜厚が減少することが原因であると考えられる。これはプロセス段階における水分の混入を改善、低温でのゲート電圧変調よって抑制可能であることが分かった。陽極酸化が生じない電圧領域(-1~+3V)を用いて低温測定を行った結果、従来用いていたアルミナ絶縁膜に比して一桁低いゲート電圧によって、それと同程度のキュリー温度及びシートキャリア変調を実現した。このゲート効率は過去に報告された(Ga,Mn)As電界効果素子において最高値である。
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Research Products
(9 results)