2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07879
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 将起 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 強磁性半導体 / 磁性の電界制御 / 強磁性金属 / スピン軌道相互作用有効磁界 |
Research Abstract |
本研究課題は強磁性半導体の基礎物性の解明と新規電界効果素子作製に向けた基盤技術の確立を目的とし、主に次の二点に着目して研究を遂行した。1.強磁性半導体(Ga,Mn)Asにおいて電流誘起スピン軌道相互作用有効磁界H_<eff>を電気的に評価した。H_<eff>はスピン軌道相互作用有効磁界によりスピン偏極したキャリアの角運動量が、p-d交換相互作用を介して局在スピンに受け渡されることにより生じる。H_<eff>の生成方向は電流方向に依存し、[110]又は[1^^-1^^-0]に印加方向を変えることで180度反転した。また、その大きさは電流密度にほぼ比例して増大し、傾きは素子温度の上昇に伴ってμ_0dH_<eff>/dj=1.3~3.8×10^<-10>Tcm^2/Aと増大した。パルス電流(パルス電流j_p=1.9MA/cm^2,幅w_p=5μs)により誘起したH_<eff>を用いた180度磁化反転の観測を行った。これらの成果は国際学会やApplied Physics Lettersで発表を行った。2.スパッタ成膜Ta/CoFeB/MgOを有するキャパシタ構造における磁気異方性とその電界効果の膜厚依存性を評価した。CoFeB膜厚を約1.3mmと薄膜化することにより、磁化容易軸方向が面内から垂直に変化することを確認した。膜厚に依存することから、垂直磁気異方性の起源はCoFeB/MgO界面効果であると考えられる。本研究成果が契機となり垂直磁化膜を電極に用いた磁気トンネル接合素子の開発が行われている。また、室温において垂直磁気異方性エネルギの電界変調を観測した。これらの成果は国際学会やApplied Physics Lettersで発表を行った。
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Research Products
(18 results)