2009 Fiscal Year Annual Research Report
化学修飾による可視光で異性化するアゾベンゼンの開発及びその応用
Project/Area Number |
09J07883
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西岡 英則 Nagoya University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | DNA / アゾベンゼン / 光制御 / ハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
今年度、私は可視光のみで異性化するアゾベンゼンの開発とそれを利用したDNAハイブリダイゼーションの光制御を目指した研究を行った。アゾベンゼンを可視光のみで異性化させ、効率的な光制御を実現するため、私はまず電子供与性の置換基であるメチルチオ基をオルト位に導入したアゾベンゼンを合成した。その結果、効率的な制御を実現することはできたものの、可視化でアゾベンゼンを異性化させることができなかった。そこで、すでに異性化波長の長波長シフトが報告されているパラ位への電子供与性置換基を導入したアゾベンゼンを利用することにした。電子供与性置換基としてパラ位にチオアルキル基を導入したアゾベンゼン誘導体を合成し、機能評価を行った。これまでの研究から、光制御能を大きくするためにはパラ位に嵩高い置換基を導入することが効果的であることが明らかとなっている。そこでパラ位にチオt-Bu基を導入したところ光制御能は大きく向上したが、trans-体での吸収シフトが見られず、可視光のみで異性化させることができなかった。コンピュータモデリングを行ったところ、t-Bu基が嵩高過ぎるためにチオt-Bu基がアゾベンゼンと同一平面上になく効果的に電子共役系が広がらないためと分かった。そこで嵩高さを減らしたi-Prチオ基を導入したアゾベンゼンを合成した。その結果、trans-体での吸収が400nm付近にシフトし、可視光にcis-体で異性化させることが可能となった。また光制御能も優れており、DNAハイブリダイゼーションを可視光のみで可逆的に制御することに成功した。
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Research Products
(11 results)