2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNA脱メチルによる始原生殖細胞分化運命決定のエピジェネティックな制御
Project/Area Number |
09J07923
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
望月 研太郎 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 始原生殖細胞 / 分化運命決定 / DNA脱メチル化 / 生殖系列特異的遺伝子群 / エピジェネティクス / 発現制御 |
Research Abstract |
1.始原生殖細胞の分化運命決定期における生殖系列特異的遺伝子群のDNA脱メチル化の検出 分化運命決定前の未分化細胞(6.0日胚)および分化運命決定後の始原生殖細胞(7.5および9.0日胚)において、mil-1遺伝子の発現制御領域(保存配列ICEを含む)のDNAメチル化状態を解析した。その結果、mil-1の発現制御領域は、分化運命決定期(6.0~7.5日)において部位特異的にDNA脱メチル化を開始し、その後(7.5~9.0日)全領域的にDNA脱メチル化を進行することが明らかとなった。また、この発現制御領域におけるDNA脱メチル化の進行とmil-1発現量の上昇とはよく相関することが発現定量によって示された。 他の生殖系列特異的遺伝子BlimplおよびStellaそれぞれについても、分化運命決定の前後にわたって、保存配列ICEを含む近傍領域のDNA脱メチル化の進行と遺伝子発現上昇との相関を示す、mil-1と同様の結果が得られつつある。 したがって、生殖系列特異的遺伝子群は、保存配列ICEを含む発現制御領域がDNA脱メチル化を受けるという共通のエピジェネティック制御によって、その特異的発現を開始・増幅することが示唆される。 2.DNAメチル化による生殖系列特異的遺伝子群の発現開始誘導の検証 維持型DNAメチル基転移酵素Dnmtlをノックアウトしたマウス胚について、発現定量によって現在解析中である。Dnmtlノックアウトマウス胚においてはDNAメチル化状態が維持されないため、早期のDNA脱メチル化が起こり、生殖系列特異的遺伝子群の発現開始時期が早まることが予想される。したがって、Dnmtlノックアウトマウスの未分化細胞(6.0日胚)におけるmil-1,Blimpl,Stellaの発現量は野生型の未分化細胞(6.0日胚)に比べて高いことが期待される。
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Research Products
(4 results)