2009 Fiscal Year Annual Research Report
家事介護支援ロボットにおける安全保持機構を持つ身体構成と全身行動認識学習統合
Project/Area Number |
09J07951
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
垣内 洋平 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ロボティクス / ヒューマノイドロボット / 3次元環境認識 / 接触センサ |
Research Abstract |
1.全身接触を伴う動作 人間と共存する環境で家事介護支援などを行う人間型ロボットにおいて、接触触覚を用いた動作は、安全な動作、接触による動作指示、全身を使った物体操作などを実現するために必要不可欠である。触覚は全身に分布している必要があり、本年度の研究において、既存の人間型ロボット(HRP-2)に,シート面上に分布させた接触センサを脱着可能なスーツ様にして全身に装着させ、全身の接触を伴う動作として寝返り動作を行った。 この寝返り動作時には、ロボットは通常ではすべての関節を常にコントロールしているが、力を必要としない関節については脱力する(コントロールゲインを下げる)ことで、環境になじむようにし、接触している部位を増やし、意図しない過大なトルクを関節にかかるのを防ぐことを行った。現状ではコントロールゲインの調整をシミュレータで得られたトルクや実際の動作時のトルクを参考に、人間が動作を変更しているが、シミュレータでの自動動作生成や動作時に動的に脱力する関節を選択するなどの応用を行うことで、自律的に環境になじんだ動作が実現できると考える。 2.環境認識と動作の統合 動作と環境認織の統合として、ロボットの能動的な環境への接触を用いた環境認識によって動作選択を行った。具体例として、未知の障害物のある環境で、動かすことのできる障害物(可動障害物)と動かすことのできない障害物(固定障害物)を、複数のセンサとロボットの能動的な環境への接触によって判定して、障害物によって移動経路が無い状態から可動障害物を動かすことで目的地への経路を作り出し、目的地への移動を可能にした。 これを発展させることで、受動的なビジョンベースのセンシングと能動的な動作を伴うセンシングを用いて環境を認識することが可能になり、今後、認識による行動選択、動作生成を行うことで認識と動作をシームレスにつなぎ、環境の変化への対応や環境操作による行動範囲の拡大などを行うようにでき、家具の片付け、車椅子を移動させてくるなどの支援行動が可能にできる。 3.まとめ 本年度は、全身接触を伴う動作と環境認識と動作の統合について行い、接触を伴う全身動作生成と家事介護支援に必要な認識に用いるデバイスを用いた動作を実現できた。今後の研究は、全身接触動作を人間と接触する全身動作に発展させ人間と協調した動作を行い、開発したカラー距離画像センサを用いて認識を行い、動作と統合させた行動システムの開発を進めていく。
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Research Products
(2 results)