2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J07985
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 森彦 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超分子 / 四重鎖 / アニオン / インターロック / キラル |
Research Abstract |
二座架橋配位子LやL_<hyd>は、Pdイオンと自己集合することで、四重鎖ヘリケート、またそのインターロック型二量体を与える。これらは世界的に見ても稀少な構造である。一連の超分子構造を制御することを目指し、当該年度は2つの目標を掲げた。研究実績について、順次報告する。 1.様々な二座架配位子の合成-及びそれらが形成する錯体の構造についての検討 二座架橋配位子の性質を変化させたとき、自己集合生成物の分布にどのような影響が出るかを検討した。一連の実験の中で、アミド結合を導入した配位子をPdイオンと自己集合させた場合、アニオンを強く包接した安定な四重鎖錯体が生じることを見出した。さらに、この自己集合過程ではインターロック型構造は一切生成しなかった。これらの結果等から、インターロック型構造の生成は、前駆体である四重鎖錯体の安定化により阻害されるとの知見が得られた。この知見を、今後のインターロック型構造創製に向けた超分子設計に活かしていく。 アニオンは、生体内を初めとした様々な自然環境において、生理活性等の重要な役割に関わっており、これに対する認識能・包接能を有する物質が近年大きな注目を浴びている。本系で得た四重鎖錯体は、水素結合ドナーであるアミド基が錯形成により四重に働くことで、アニオンに対する強い包接能を示す。この包接は高極性溶媒中でも発現される程強いため、アニオンレセプターとしての機能性が期待できる。 2.一方の巻方向を取る四重鎖ヘリケートの合成-及びそのキラル認識・分割 二座架橋配位子L_<hyd>をL-アミノ酸と縮合させた。この配位子の構造や、金属イオンとの自己集合挙動については、まだ解析の途中であるが、アミノ酸のキラリティが配位子に、そして配位子のキラリティが四重鎖ヘリケートに伝達した(キラル増幅)可能性があるとして、現在は検討を行っているところである。今後、この解析を引き継いでいく。
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Research Products
(3 results)