2009 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体薄膜を用いたチューナブル光学デバイスに関する研究
Project/Area Number |
09J07990
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
島 宏美 Tokyo University of Science, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 強誘電体薄膜 / 電気光学効果 / チューナブル光学デバイス / フォトニック結晶 / (Pb,La)(Zr,Ti)O_3 / マルチフェロイック / 光学特性 / 微細加工 |
Research Abstract |
現在、光ネットワークシステムでは、スイッチや変調器など、様々な光デバイスが使用されており、システム全体の小型化・低コスト化・高信頼化を実現するための技術開発が進められている。こういった光デバイスの小型化に対するブレークスルーとして、数μmの大きさでプリズムやフィルタなどの光部品が形成できるフォトニック結晶が注目されている。フォトニック結晶中では、結晶の周期に応じて特定の波長領域の光が透過できないため、光の閉じ込めや急峻な曲げなどが可能であり、微小光回路などとしての応用が期待されている。しかし、これまでに提案・試作されてきたフォトニック結晶は、受動型素子であり光の偏向角や透過帯域などの特性を自由に変化させることができない。光ネットワークシステムを構成するためには、光スイッチや光変調器など、外部からの電圧に応じて特性を自由に変化させることができる能動型素子を作製することが必要となる。本研究の課題は、強誘電体薄膜を用いた新しいチューナブル光学デバイスの創製である。平成21年度は、強誘電体の中でも古くから光学材料として有望視されている(Pb,La)(Zr,Ti)O_3についてエピタキシャル薄膜を作製し、その電気光学特性の組成依存性を調べた。結果、多結晶膜とは異なる組成La/Zr/Ti=2/65/35で176pm/Vと、より高い電気光学係数が得られることが明らかになった。また、近年マルチフェロイック物質として注目を集めるBiFeO_3の多結晶膜を作製し、その光学定数を詳細に調べた。結果、波長632nmで32、通信波長帯である1550nmの波長で2.9と酸化物中で最大の屈折率が得られることが明らかになった。また、フォトニック結晶作製のための微細加工を、集束イオンビーム加工が可能な複合ビーム加工観察装置を用いることで、サブμmの線幅を持つ微細加工に成功した。
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Research Products
(7 results)