2010 Fiscal Year Annual Research Report
単一分子触媒の複合機能を活用した新規付加環化反応の開発
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09J07999
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
北條 大樹 東京農工大学, 大学院・工学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | カチオン性ロジウム錯体 / 芳香環化 / [4+2]付加環化反応 / カスケード反応 / σ結合活性化 / π結合活性化 / アルデヒド / アルキン |
Research Abstract |
本年度は、カチオン性ロジウム錯体触媒を用いた2-アルキニルベンズアルデヒドとアルキンとの[4+2]付加環化反応と、それに引き続く生成物のフェノール誘導体への触媒的異性化の検討を行った。本反応は、ロジウム錯体触媒の複合機能を利用した二段階の反応を一挙に行うカスケード反応の検討である。反応により得られる生成物は2-アルキニルベンズアルデヒドとアルキンとの[4+2]付加環化反応により得られるシクロヘキセノン誘導体が、触媒的に二重結合の異性化を生じることで得られるものと考えられる。 様々なアルキニルベンズアルデヒドとアルキンとを用いた反応を検討したところ、触媒としてカチオン性ロジウム/dppp錯体触媒を用いることで、反応が良好に進行し、対応するナフトール誘導体が得られた。また、アルキニルベンズアルデヒドに代えて、芳香環が伸張した基質や、エチレン架橋を有する様々な基質を調整し反応を検討したところ、いずれも反応は良好に進行し、興味深い構造を有する生成物が効率的に得られた。 以上、本年度はカチオン性ロジウム/dppp錯体触媒の複合機能を利用した、ベンゼン架橋、またはエチレン架橋を有するアルキナールと、様々なアルキンを用いた、[4+2]付加環化反応と引き続く触媒的二重結合の異性化のカスケード反応による、芳香族化合物の合成を行った。また、得られる生成物を天然物とする試みや、生成物を誘導する事で興味深い生成物を与える反応の検討を行う予定である。また同内容をまとめ近日中の論文投稿を予定し、現在その準備を行っている。
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