2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08032
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大清水 薫 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 有機薄膜太陽電池 / GRIM重合 / ポリチオフェン |
Research Abstract |
交付申請書に記載した、3つのモノマー(主鎖がピリジン、オキサジアゾール、トリフェニルアミンのジブロモ体)の合成を行った。さらにGRIM重合を試みたが、どのモノマーも重合は進行しなかった。その理由は1つには、Grignard交換反応が100%進行していないこと。もう1つの理由はたとえ100%Grignard交換反応が進行しるモノマーでも、GIRM重合においてNi錯体が移動する時、移動できる距離が限られていて、適切な部位に挿入されず、かつN原子を含むモノマーだとNiがそこに配位し、トラップされるという形で反応が停止してしまうことが挙げられる。そこで、GRIM重合を進行させるため、Niが移動できる距離として既知である、チオフェンを主鎖として側鎖を変えていくことを考えた。側鎖にピリジン環を導入したチオフェンモノマーを合成し、そのGRIM重合を行ったところ、分子量が27000、分子量分布が1.19のホモポリマーを得ることに成功した。側鎖にピリジン環つまりN原子が含まれているが、重合が進行したのは、熱をかけることによりNとNiの配位力を弱くしたからだと考えた。側鎖にピリジン環を有する利点は3つあり、1つには電子吸引性基であるため、よりn型半導体の性質を示すこと。2つ目には、P3HTとのブロック共重合体にした時、結晶・非晶の相分離構造を発現させやすい構造になること。3つ目にはピリジンのように孤立電子対を持っている化合物は、PCBMとの相溶性が高く、PCBMを選択的にそのポリマーのみに溶解させることができ、p/nラメラ構造を形成できること。これらの観点からP3HTと今回新たに作ったポリマーとのブロック共重合体は変換効率の高い太陽電池特性を示すことが期待できる。
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Research Products
(1 results)