2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 桂彦 京都大学, エネルギー科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | DNA / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
平成22年度において、前年度に設計・合成されたフォトクロミック核酸モノマー(^<Ac>G)の光化学的特性に注目し、研究を行った。蛍光寿命などの物理化学的測定は筑波大学大学院・数理物質科学研究科の新井達郎教授、西村賢宣准教授と共同で行った。その結果、シス体の蛍光寿命はは2ns、トランス体は420nm.500nmでは約20psで減衰し、600nmおよび670nmでは立ち上がった。これは分子内CTの生成によるものと考えられ、時間分解蛍光スペクトルにもあらわれている。シス体では分子内CTの生成、減衰が観察されず、また、蛍光波長が比較的短く溶媒効果に乏しいため、シス体では共役が切れており、分子内CT生成が不利になっていることが示唆された。分子内CT蛍光は周辺極性環境に敏感に応答し変化することが知られており、DNA周辺の極性変化やタンパク質表面の局所的な極性変化をモニターするプローブとしての応用が期待できる。本研究において、^<Ac>Gをはじめ、^<Ac>G類似体を多数設計・合成しその蛍光特性を調べている。その結果、分子内CT性の蛍光分子を設計できさまざまな波長の分子内CT性の蛍光分子を設計できる知見が得られた。 さらに^<Ac>GをDNAへ導入し、極性変化に応答する蛍光性DNAプロープを合成した。これは、プローブが一本鎖状態では^<Ac>Gが高極性環境下(親水)に置かれ、強く消光している。しかし、相補的な配列をもつDNAとハイブリダイズすることで^<Ac>GがDNA内部にインターカレートして低極性環境下(疎水)に移動するため、蛍光が回復する。このようなDNAプローブの設計・合成に成功しており、その成果をBioorg.Med.Chem.Lett.2011,21,1275-1278で報告している。
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Research Products
(4 results)