2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 桂彦 京都大学, エネルギー科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | DNA / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
本年度では、これまでに作成した様々な電子吸引性あるいは電子供与性置換基(アセチル基,シアノ基,アミノ基など)を共役させた核酸塩基の蛍光発光の挙動を元に、pH応答性の核酸塩基を設計・合成を行った。アニリンをアントラセンを介してチミン塩基に共役させると(^<NH2>T)、pHの変化によって蛍光量子収率が大きく変化することを確認した。このときの蛍光強度の変化はアニリンのアミノ基がプロトン化された場合と脱プロトン化された場合によるものだと考えられ、pKaもアニリンのものと一致している。ガン細胞または、ガン周辺のpHは、正常組織より酸性であることが多いことが知られており、これをもちいてガン細胞のみを蛍光ラベルすることができるのではないかと考え、このNH2Tを元に、アニリンのアミノ基を修飾することで目的のpH域でのみ蛍光を発する核酸塩基をデザインした。これにより、t-ブチル基をアニリンのアミノ基に修飾した^<tBuNH>Tを作成した。これは、pKaが6.1であり、pHが7以下になると蛍光強度が大きく増加してくることがわかった。これを用い、ヒト肝癌細胞であるHuh-7を蛍光ラベルすることに成功した。この内容は、Bioorganic & Medicinal Chemistry Lettersに掲載されている。
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Research Products
(6 results)