2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08079
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
グブラー P Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハドロン物理学 / エキゾチックハドロン / QCD和則 / 格子QCD |
Research Abstract |
ハドロンは素粒子であるクォークや反クォークから作られている複合粒子ですが、大きく分けて二つの種類に分類されています:クォークと反クォークからなるメソンや3個のクォークからなるバリオンです。このような標準的なハドロンは実験的にはたくさん発見されていますが、クォークの相互作用を正しく記述していると思われている量子色力学(QCD)からはそれ以外の「エキゾチック」なハドロンが否定されているわけではありません。実際、2003年に初めて5個のクォークからなるペンタクォークが発見され、エキゾチックハドロンの研究が強い刺激を受け、このような未知な物質に対する関心か高まりました。そこで、私の研究ではペンタクォークの質量をQCD和則で解析し、その可能な量子数を特定することで、ペンタクォークの構造に関する理解を深めることができました。この結果を去年、二つの論文やいくつかの国内外の会議で発表しました。その他に、エキゾチックなハドロンとして注目されている粒子はΛ(1405)ですが、これはメソンとバリオンからなる分子状態ではないかと言われています。ただし、これまでのΛ(1405)の研究では主に有効理論の模型が使われており、QCDからの記述がまだ完全ではありません。そこで、格子QCDを用いて、Λ1405)をこれから調べようとしています。この研究を通じて、Λ(1405)が実際にどのような構造を持つかについての情報を得たいと考えています。 このような様々なエキゾチックな粒子を調べることで、標準的な粒子とエキゾチックな粒子はどう違うのか、なぜこの世の中にほとんど標準的な粒子しかないのか、などの物質の根本的な性質に関わる問題に挑戦し、この研究分野の発展に貢献したいと思います。
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Research Products
(7 results)