2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08106
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
斎藤 貴之 National Astronomical Observatory of Japan, 理論研究部, 特別研究員PD
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Keywords | 銀河形成 / 数値シミュレーション / N体 / SPH法 |
Research Abstract |
本研究課題は、超高分解能銀河形成シミュレーションから銀河形成過程の詳細を明らかにしようというものである。 本年度、二つの科学的成果についての論文が出版された。一つは銀河形成・進化過程の重要な経路である銀河衝突についてである。従来のシミュレーションでは、銀河同士が衝突したときに生じる広がった爆発的星形成領域を再現できていなかった。今回我々が行った超高分解能シミュレーションにより、銀河同士の初期遭遇時に観測に対応する銀河スケールに広がった爆発的星形成領域が形成されることが明らかになった。解析の結果、この爆発的星形成は星間ガスの急激な圧縮によって励起されたており、また、このとき星団を形成する。もう一つは、銀河円盤モデルの高分解能シミュレーションにより、個別の星形成領域を初めて同定し、それが電波干渉計の観測結果を矛盾無く説明することを明らかにした。これらの結果は高分解能シミュレーションによる銀河シミュレーションが観測の多様な側面をうまく説明できることを示しており、今後のシミュレーション研究の礎となる重要な結果である。 シミュレーションコードについて二つの重要な拡張が行われた。一つは時間刻み幅についてである。従来の独立時間刻み法を用いたN体/SPH法では超新星爆発の効果を正しく扱うことができていなかった。この問題について我々は、超新星爆発周辺のガスの時間刻み幅に制限をつけることで正しく扱えるようにした。この研究はAstrophysical Journalから出版された。もう一つは時間積分法についてである。超新星爆発が生じると急激に3桁程度時間刻み幅が短くなる。このとき重力が摂動的であることを考慮して、流体と重力の時間刻み幅を粒子ごとにばらばらにとる時間積分法を開発した。これにより結果を変えずに高速なシミュレーションが可能になった。これについてもPASJより出版されることが決定している。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Toward First-Principle Simulations of Galaxy Formation : II. Shock-Induced Starburst at a Collision Interface during the First Encounter of Interacting Galaxies2009
Author(s)
Saitoh, T.R., Daisaka, H., Kokubo, E., Makino, J., Okamoto, T., Tomisaka, K., Wada, K., Yoshida, N.
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Journal Title
Publ.Astron.Soc.Japan Vol.61
Pages: 481-486
Peer Reviewed
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[Journal Article] The Origin of Large Peculiar Motions of Star-Forming Regions and Spiral Structures of Our Galaxy2009
Author(s)
Baba, J., Asaki, Y., Makino, J., Miyoshi, M., Saitoh, T.R., Wada, K.
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Journal Title
Astrophysical Journal 706
Pages: 471-481
Peer Reviewed
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