2009 Fiscal Year Annual Research Report
疾病構造を考慮した日本人の理想的な体格を検討する前向きコホート研究
Project/Area Number |
09J08109
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永井 雅人 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | Body Mass Index / やせ / 肥満 / 年齢 / 死亡リスク / 死因 |
Research Abstract |
日本人の死亡リスクが最も低い体格を明らかにするため、本年度は性・年齢階級別にBody Mass Index(BMI)と全死因死亡リスクの関連を検討した。 解析対象者は宮城県大崎保健所管内の40~79歳の国民健康保険加入者、43,984名(男性:21,042名、女性:22,942名)である。BMIを<18.5(やせ)、18.5-20.9、21.0-22.9、23.0-24.9、25.0-27.4、27.5-29.9、≧30.0(肥満)に7区分し、年齢を中年者(40~64歳)、高齢者(65~79歳)に層別化して、性別、年齢階級別に全死因死亡リスクとの関連をCox比例ハザードモデルより求めた。共変量は喫煙習慣、飲酒習慣、身体活動時間/週などである。 12年間の追跡でBMI23.0-24.9を基準とした時、やせの全死因死亡リスクは中年男性で26%、高齢男性で49%、中年女性で46%、高齢女性で47%上昇し、男女とも高齢者で有意であった。肥満は中年男性で71%、高齢男性で25%、中年女性で47%、高齢女性で26%上昇し、中年男性で有意であった。一方、18.5≦BMI<30.0では全死因死亡リスクの有意な上昇及び減少はみられなかった。BMIと全死因死亡リスクの関連は性別、年齢階級別に異なり、男性は中年者で肥満、高齢者でやせ、女性は中年者で肥満、年齢階級に関わらずやせでリスクが上昇した。 日本人は欧米人に比しやせの割合が高く、多くの欧米人の痩身者はがんなどの既往歴が原因であると考えられている。よって、基礎疾患を有しないやせの死亡リスクは日本人を対象とすることで明らかとなる。また、わが国ではこれまで肥満についての対策が多くとられてきたが、高齢者では肥満のリスクは少なくむしろやせでリスクが高い。従って、年齢階級に合わせた対策が必要であり、肥満だけでなくやせの予防の重要性も示唆された。
|
Research Products
(19 results)