2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08128
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松葉 由紀 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | アントシアニン / 二次代謝 / 生合成 / アシルグルコース / 配糖化酵素 |
Research Abstract |
カーネーション(Dianthus caryophyllus)においてアントシアニンの5位に糖を転移する酵素について、またデルフィニウム(Delphinium grandiflorum)などにみられるアントシアニン7位の糖修飾を触媒する酵素活性はこれまでに報告がなかった。本年度の研究では、カーネーション花弁において糖ヌクレオチドではなく、バニリル-β-D-グルコース(VG)を用いたアントシアニン5位配糖化酵素反応を触媒する酵素が存在していることを突き止めた。VGは植物体から精製し、各種分光学的手法によって同定した。また、デルフィニウム花弁粗酵素液を用いて、VGを糖供与体として、アントシアニン3-グルコシドを糖受容体として反応させたところ、アントシアニン3,7-ジグルコシドの生成が確認された。そこでカーネーション花弁からアシルグルコース依存型アントシアニン配糖化酵素(AAGT)の精製を行い、得られたアミノ酸配列情報をもとにAAGTcDNAを獲得した。AAGTcDNA組換え大腸菌はAAGT活性を有した。カーネーションにおけるAAGT遺伝子の発現は、花弁の早い時期で極大になることが確認された。また、アントシアニンの5位の糖が欠損した欠損体の花弁の表皮細胞にAAGTcDNAを一過的に導入したところ、アントシアニン5位配糖体に由来する特徴的な蛍光が観測された。AAGTアミノ酸配列は、βグリコシダーゼとして知られるglycoside hydrolase family1(GH1)と高い同一性を有した。またAAGTの酵素学的解析を行った結果、AAGTは,非常に安定で反応速度がゆるやかであり、3位配糖化アントシアニンを特異的に認識する一方で、幅広いアシルグルコースを基質としうることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A novel glucosylation reaction on anthocyanins catalyzed by acyl-glucose-dependent glucosyltransferase in the petals of carnation and delphinium2010
Author(s)
Matsuba, Y., Sasaki N., Tera M., Okamura M., Abe Y., Okamoto E., Nakamura H., Funabashi H., Takatsu M., Matsuoka H., Nagasawa K., Ozeki Y.
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Journal Title
The Plant Cell
Volume: 22
Pages: 3374-3389
Peer Reviewed
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