2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08128
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松葉 由紀 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | アントシアニン / 二次代謝 / 生合成 |
Research Abstract |
アシル・グルコース依存型アシル基転移酵素に関して、この酵素をコードするcDNAの配列がserine carboxypeptldase like protein(SCPL)に分類されることが既に明らかとなっている。先の研究で、ニンジン及びハマボウフウ培養細胞の粗酵素における、アシル・グルコース依存型アシル基転移酵素活性を見出しいた為、この酵素をコードするcDNAの単離を試みた。まず、SCPLの保存された配列を基にディジェネレートプライマーを作成し、ニンジン及びハマボウフウ培養細胞より作成したcDNAライブラリーをテンプレートとして、ディジェネレートPCR法で両種のSCPLホモログ部分長を単離した。得られた配列の内部に新たにプライマーを作成し、N末端、C末端のクローニングを行い全長cDNAを得た。ニンジン培養細胞において、4種のSCPLホモログ(DcSCPL1A,DcSCPL1B,DcSCPL3A,DcSCPL3B)を、ハマボウフウ培養細胞においては、4種類のSCPLホモログの部分長を単離した(図1)。その後、ニンジン培養細胞の4種類のSCPL酵素の組換え酵素における、アシル基転移酵素活性の測定を試みた。組換え大腸菌作出用にpDEST14、酵母用にpYES DEST52、植物用にpBI-ox-GWベクターに導入し、大腸菌株KRX、酵母、タバコ培養細胞を用いて形質転換を行った。いずれの組換え体においてもタンパク質の誘導が行われず、アシル・グルコース依存型アシル基転移酵素活性は検出できなかった。また粗酵素における両種のアントシアニンAT活性の反応至適条件の検討を行った。両種の反応至適pHは6.5付近であり、反応至適温度はニンジンにおいて40℃、ハマボウフウにおいて50℃付近であった。更に、ニンジンアントシアニン合成培養細胞より単離した4種のSCPLホモログのアントシアニンを合成する培養細胞、合成しない培養細胞で発現量を解析したところ、いずれのホモログもアントシアニンを合成しないニンジン培養細胞での発現量は検出限界以下だったため、これらがアントシアニンの合成に関わっていることに矛盾しない結果を得た。
|
Research Products
(4 results)