2009 Fiscal Year Annual Research Report
サキシトキシン類の全合成研究と新規Naチャネル機能解析ツールの創製
Project/Area Number |
09J08143
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩本 理 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 全合成 / アルカロイド / サキシトキシン / ナトリウムチャネル / グアニジン / 1,3-双極子付加環化反応 |
Research Abstract |
近年、電位依存性ナトリウムチャネルは抗疼痛や鎮痛作用の分子標的として注目されている。本研究ではサキシトキシン骨格を基盤とすることで電位依存性ナトリウムチャネルのサブタイプ選択的リガンドの創製を志向した、柔軟な合成手法によるサキシトキシン類の全合成について検討を行った。これまでの研究において、サキシトキシン骨格の構築に成功している。しかしこれらの手法は依然、本研究の目的である「多様な構造展開が可能な柔軟な合成手法」を満足できなかったため、依然として残っていた問題点を解決しつつ新たな反応と方法論を開発した。まず、炭素骨格形成時における工程数を短縮させるために、応用例の全くないニトロン-ニトロオレフィン型1,3-双極子付加環化反応と続く化学種選択的な変換反応をワンポット法と組み合わせる手法を開発した。そして従来法では理論上、(-)-デカルバモイルオキシサキシトキシンよりも工程数が必要な(+)-β-サキシトキシノールをより短段階で合成し、(+)-サキシトキシンの形式全合成を達成した。さらに、サキシトキシン骨格形成時における脱保護の必要性に関する問題を、立体配座を制御し、不安定構造を安定化する手法を用いて克服した。これにより12段階25%で得られるサキシトキシノール保護体をサキシトキシン構造活性相関の共通物質として供給可能となった。また、本化合物の有用性を示すべく各官能基の変換について検討を行いα-,およびβ-サキシトキシノールと13位アジド体の合成、そして(+)-デカルバモイルサキシトキシンおよび(+)-ゴニオトキシン3の全合成に成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
長澤和夫、岩本理
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Journal Title
天然物全合成の最新動向(第10章グアニジン系天然物サキシトキシン類の全合成(シーエムシー出版(株))
Pages: 147-161
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