2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08193
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
穀山 渉 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 重力波 / 小型衛星 |
Research Abstract |
今年度は、研究計画「小型衛星を用いた重力波探査」の一環として超小型重力波検出器SWIMmnの打ち上げ・運用とそれを用いた観測へ向けた調整実験を行った。2009年1月23日に種子島宇宙センターから打ち上げられたSWIMmnは、2009年2月から2010年4月現在に至るまで、順調に運用を続けている。 数ヶ月間の調整運用を経て、2009年5月にはSWIMの内部に格納されている試験マスの正常な制御に成功した。鉛直・回転の2自由度の制御に成功し小型衛星の内部の試験マスを非接触支持することができ、フルサクセスレベルをこの時点で達成した。 さらに、SDS-1衛星が「スピン安定モード」と呼ばれる状態(スピンをつけて角運動量を持つことで姿勢を安定化させる)と「3軸姿勢制御」(衛星内に持っているはずみ車を回転させ、姿勢をある一定方向に保つような姿勢制御)のときのノイズレベルを比較した。各姿勢制御状態でのSWIMmnのノイズスペクトルにはほとんど違いがなく、スピン安定時に存在する、衛星の回転に由来する0.05Hzのピークが3軸姿勢制御時には消えていることがわかった。これは、衛星のホイールを回転させてもSWIMmnの感度を汚すような振動ノイズを発生させなかったということを意味し、良好な結果といえる。これらの結果をふまえ、2010年度はいよいよSWIMを用いた観測運用を行っていく予定である。
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Research Products
(7 results)