2010 Fiscal Year Annual Research Report
In-CellNMRによる膜タンパク質のダイナミクス解析法開発とチャネルへの応用
Project/Area Number |
09J08197
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉中 藍 (新津 藍) 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 固体NMR / 神経毒 / 相互作用解析 |
Research Abstract |
本研究では、電位依存性ナトリウムチャネル(以下VSSC)の非活性化状態と神経毒ベラトリジンによる活性化状態の構造変化をIn-Cell NMRにより観測することを計画している。VSSCの構造解析を行うにあたり、まずVSSCにおいてベラトリジンが相互作用すると考えられているチャネル孔形成部位の構造を解析することが本研究の目的遂行において有用であると考えた。そこで、ベラトリジンの作用が提唱されているVSSCのドメイン4セグメント6(以下D4S6)の配列の両端に親水性アミノ酸であるリシンを3残基ずつ配列したペプチド(以下K3D4S6)を用い、固体NMRで脂質二重膜中での構造解析を行うこととした。 固体NMRで測定するにあたって、化学合成を用いたポイントラベルペプチドの調製、および大腸菌発現系を用いたユニフォームラベルペプチドの調製を試みた。 化学合成では、まずK3D4S6が脂質二重膜中で均一にアルファヘリックス構造をとっている試料の調製条件を検討するため、アラニンを13Cおよび15Nで同位体標識したK3D4S6を調製した。このポイントラベル化K3D4S6を脂質二重膜中に再構成し、固体NMRを測定してペプチドの二次構造を観測し、試料調製条件の最適化を達成した。 大腸菌発現系を用いたペプチドの調製では、昨年度検討したペプチドにMBPおよびユビキチンを融合したタンパク質の発現系に加え、ペプチドの配列のみをプラスミドに導入し、発現条件の検討を行った。 以上、当該年度において本研究の目的遂行に必要な試料の準備が進み、次年度の固体NMR測定によるペプチドの構造解析、低分子との相互作用解析につながる結果を得ている。
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Research Products
(2 results)