2010 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケールSPMリソグラフィー技術の開発と超機能デバイスへの適用
Project/Area Number |
09J08199
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西村 信也 東京農工大学, 大学院・工学府, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 走査型プローブ顕微鏡(SPM) / SPMリソグラフィー / 磁気抵抗特性 / プレナー型Si-FETデバイス |
Research Abstract |
本研究では、SPMによるリソグラフィー技術を開発すると同時に、当該技術をナノスケールSiデバイスの作製へ適用することで新しい機能性を発現する新型デバイスの実現を目的とした。まず、タッピングモードSPM局所酸化リソグラフィーについて検討を行った。新規な制御パラメータとしてSPM探針の動的要素(振動振幅・Q値)を取り入れた結果、幅9.8nmのSi酸化物細線を作製することに成功した。また、探針と試料との接触面積を大幅に増大させることで10^5倍の高スループット化に成功し、マイクロスケールでのSPM酸化加工が容易に行えることが示された。一方、SPMスクラッチナノリソグラフィーでは、印加荷重を9μN以下に設定することで20nm以下級のSi加工痕が容易に形成できることが示された。 更に、本手法を用いたプレナー型Si-FETデバイスにおける電気的特性・磁気抵抗特性の制御について検討を行った。結果、ソース・ドレイン間チャネルにおけるコンダクタンス制御が可能となり、所望のコンダクタンスを有するデバイスの作製が可能となった。次に、実際に作製したプレナー型Si-FETデバイスにおける磁気抵抗効果を検討した結果、形状効果により予測される磁気抵抗比よりも大きな値が得られた。さらに、プレナー型Si-FETデバイスのチャネル部において本手法を施すことで、スクラッチ前後での磁気抵抗特性の発現強度を制御することに成功した。これより、本手法をプレナー型Si-FETデバイスに適用することで、チャネルの形状や電気的特性を精密に調整しながら磁気抵抗特性の発現・制御が可能であることが示された。 これらより、本研究において提案した10nm以下級からマイクロスケールに及ぶマルチスケールSPMリソグラフィーを用いることで、プレナー型Si-FETデバイスの電気的特性や磁気抵抗特性の変調制御が可能であることが示された。
|
Research Products
(11 results)