2010 Fiscal Year Annual Research Report
火山下の深部低周波地震とマグマ上昇の関係を解明する
Project/Area Number |
09J08208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮林 佐和子 東京大学, 地震研究所, 特別研究員DC1
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Keywords | レシーバ関数解析 |
Research Abstract |
昨年までに、地下の地震波速度境界面を検出するのに優れた手法であるレシーバ関数解析に着目し、富士山下にどのような地震波速度境界面があり、その境界面がどのように分布しているかを推定した。しかし、上記の研究で得られた速度境界面が具体的に地下の何を表わしているかを解明するためには、地下の地震波の絶対速度構造を求めることが必要である。地下の地震波絶対速度構造を調べるための一般的手法である走時トモグラフィでは、解像度が悪く、ぼやつとした全体的な構造を得ることしかできないため、レシーバ関数のインバージョン解析を行うことを考えた。しかし、従来のレシーバ関数のインバージョン解析では、地下の地震波速度境界面を表わす顕著な振幅の情報を生かすことができない、などの問題点があり、レシーバ関数の特徴をいかした状態で解を決定することができない。よって、新たな手法の開発が必要であり、今年度は主にその開発にあたった。 手法開発の第一段階として、地下が深くなるほど地震波速度が速くなる4層の単純な構造であるという仮定をし、グリッドサーチによって地震波絶対速度構造を求めるということを試した。その後、グリッドサーチによって求めた残差の少ない解の中から最適な地下構造を選ぶために、表面波の分散曲線に注目した。具体的には、Nishida et al., 2007によって推定されているS波速度構造から表面波の分散曲線を求め、グリッドサーチの解と残差が少なくなるものを最適な地下構造とした。今年度はこの手法を発展させ、さらに細かい地下の構造を議論できるようにする予定である。
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Research Products
(3 results)