2009 Fiscal Year Annual Research Report
Anomalous U(1)A理論における超対称性の破れ
Project/Area Number |
09J08247
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西野 裕之 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | Anomalous U(1)A理論 / 超対称性 / 統一理論 |
Research Abstract |
超対称性E_6×SU(2)_H×U(1)_A大統一理論と矛盾することのない、現象論的に満足する超対称性を破る模型を研究しました。もし、この模型が完成すれば、この一つの統一理論で過去の様々な統一報論が抱えていた問題点を体系的に説明する事ができます。21年度は、以下のこの模型の問題点を解決できる現実的な模型を1つ、創る事に成功しました。問題点(1)力を媒介する粒子のスーパーパートナー(ゲージーノ)の質量が実験と矛盾するほど小さい。問題点(2)超対称標準模型に存在する2つのヒッグス、アップヒッグスとダウンヒッグスの各質量(μ項)に比べて、これらのヒッグスの混合質量(Bμ項)が大きすぎる。これらの問題点を今ままで、独立に解いていたのですが、研究をしてみると、独立な問題点ではないことに気づきました。問題(1)と(2)を同時に解く事を考えた結果、超対称性を自発的に破る場の真空期待値(VEV)を大きくすれば良い事に気づきました。もし、このVEVを大きくできれば、アップヒッグスとダウンヒッグスの各質量(μ項)を大きくし、ヒッグスの混合質量(Bμ項)を相対的に小さくできます。また、このVEVを大きくする事によって力を媒介する粒子のスーパーパートナー(ゲージーノ)の質量を大きくできる事も分かりました。このように、本質は、超対称性の破れを伝える場の質量を小さくするのではなく、VEVを大きくする事である事が分かりました。このVEVは、超対称性を自発的に破る場の質量の2乗に反比例するので、質量を小さくなるように微調整しました。この微調整は、0.0001程度なのですが、この微調整をすれば、問題点(1)と(2)が同時に解ける事が分かりました。
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Research Products
(2 results)