2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08279
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
今村 悠里 立命館大学, 総合理工学研究機構, 特別研究員(PD)
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Keywords | 拡散過程の到達時間 / 静的ヘッジ / バリアーオプション / 鏡像原理 / 数値計算 / Put-Call対称化 |
Research Abstract |
1.バリアーオプションの静的ヘッジ 本年度は一般の拡散過程モデルでのバリアーオプションの価格付け問題に取り組んだ.バリアーオプションの静的ヘッジを与える公式の導出において最も重要な役割を果たしていたのがブラウン運動の対称性である.一般の拡散過程はこの対称性を持たないため,同様に静的ヘッジを与えることは不可能であるが,一般の拡散過程に対してバリアーオプションの価値が同じになる対称性を持つ過程を構成する手法を考案した.我々はこれをPut-Call対称化と呼ぶ.この構成方法から静的ヘッジ公式を導くことができるが,我々の構成した過程は実際の市場には存在しないため,もはや静的ヘッジ公式の意味をもたないが,この手法を数値計算方法に読み替えることによって,バリアーオプションの価格付け問題に応用することに成功した(石垣雄太氏,川越拓也氏,奥村敏樹氏との共同研究). 2.多次元の鏡像原理と静的ヘッジ公式 多次元の鏡像原理は,ルート系とそれに付随する鏡像群によって記述される.この研究では鏡像原理によってルート系に対する基本領域の境界にブラウン運動が最初に到達する時間とそのブラウン運動の同時確率密度を求めることができる.私は高木健矢氏との共同研究において,この事実を多証券の上に書かれたバリアーオプションの静的ヘッジ公式を導出することに応用した.
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Research Products
(7 results)