2009 Fiscal Year Annual Research Report
非極性面窒化アルミニウムを用いた深紫外発光デバイスの開発
Project/Area Number |
09J08296
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野 耕平 The University of Tokyo, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 窒化物半導体 / 固体発光素子 |
Research Abstract |
窒化アルミニウム(AlN)及び窒化ガリウム(GaN)との混晶であるAlGaNは深紫外固体発光素子材料として期待されている。高効率化に向けて、発光効率の低下を引き起こす内部電界の影響を低減可能な、非極性面(m面及びa面)・半極性面上への結晶成長及び発光素子の開発が望まれている。 これを受けて、本研究では成長温度を低減可能なパルスレーザー堆積法と任意の結晶面を利用できるZnO基板とを組み合わせることで、AlN及びAlGaN混晶を作製し未だ未解明である非極性面・半極性面上へのAlN結晶成長メカニズムの解明に取り組んだ。また得られた知見をもとに成長プロセスの開発を行い、構造特性及び光学特性の評価を行った。 当該年度では、以下の点について研究の進捗があった。 1.ZnO基板を利用することで非極性面及び半極性面等任意の結晶面上へのAlN低温成長プロセスを確立した。さらに各結晶面上に作製したAlN薄膜の構造特性や成長メカニズムを比較・検討することで、c軸配向性の高いAlN薄膜では非極性面に比べて半極性面上に成長した場合の方が、高品質化が可能なことを見出した。 2.半極性面ZnO基板表面にナノストライプ構造を導入しAlNとZnOとの界面におけるミスフィット応力を緩和することで、発光素子性能の劣化を引き起こす結晶欠陥密度を低減可能なことが分かった。 3.1、2の結果にもとづき、半極性面AlN/AlGaNヘテロ接合を作製し光学特性の評価を行った。AlGaNの組成に応じて波長220~280nmの深紫外域において強い発光が観察され、半極性面上に作製したAlN/AlGaN構造は高効率深紫外発光素子実現に向けて有望であることが分かった。
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