2010 Fiscal Year Annual Research Report
非極性面窒化アルミニウムを用いた深紫外発光デバイスの開発
Project/Area Number |
09J08296
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野 耕平 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 窒化物半導体 / 固体発光素子 / 窒化アルミニウム / 酸化亜鉛 |
Research Abstract |
AlN及びAlGaN混晶は6.0-3.4eVのバンドギャップをカバーする直接遷移型半導体であり、深紫外発光素子材料として注目されている。特に、非極性・半極性面上に成長したAlN及びAlGaN混晶はc軸方向に発生する内部電界の影響を低減可能なため、深紫外発光デバイスの高効率化が期待されている。しかしながら、従来のc軸方向への結晶成長に比べて、格子整合した基板材料がないために非極性・半極性面AlN及びAlGaN混晶の結晶成長は非常に困難であり、またその報告例も少ない。 それに対して本研究では、AlN・AlGaNと同じ結晶構造をもち格子整合性の高いZnO基板とパルスレーザー堆積法による低温成長技術を組み合わせることで、高品質な非極性・半極性面AlN及びAlGaN薄膜成長が実現可能であることを見出した。また本結果に基づき、LED構造である半極性面AlGaN/AlNヘテロ構造を作製し偏光特性を評価したところ、発光波長250nm以下の深紫外領域では従来のc面上にLED構造を作製した場合と比べて表面からの光取り出しに有利な偏光特性を有していることが明らかになった。さらに実験から得られた結果を、k・p法による価電子帯バンド構造計算と照らし合わせたところ、半極性面上に深紫外LED構造を作製することで光取り出し効率が改善可能であることが裏付けられた。 以上の結果から、パルスレーザー堆積法による低温成長技術と非極性・半極性面ZnO基板を利用し、これらの結晶面上にLED構造を作製することで、内部電界抑制効果に加え、素子表面からの光取り出し効率の向上が期待できることが明らかになった。
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