2009 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物におけるアドレノメデュリンファミリーの新規受容体の探索
Project/Area Number |
09J08363
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
御輿 真穂 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アドレノメデュリン / 硬骨魚類 / 遺伝子ノックダウン |
Research Abstract |
本年度は、発現クローニングによって受容体遺伝子を同定するための準備段階として、まず対照として用いる既知のAM受容体遺伝子(CLR, calcitonin receptor-like receptorおよびRAMP, receptor activity-modifying protein)のウナギにおけるホモログのcDNAクローニングを行った。その結果、CLR1遺伝子の配列を決定し、この発現分布を調べたところ、浮き袋の奇網などの血管が豊富な組織に存在することがわかった。新規受容体は既知の受容体遺伝子と似た構造をもつと考えられるため、得られたアミノ酸配列をもとに、現在利用できる硬骨魚類のゲノムデータベースを検索したが、相同性による新規遺伝子の候補は見つけることができなかった。現在、タンパク質のアフィニティによる結合アッセイを行うため、RI標識したリガンド分子を準備中である。 また、ウナギにおいてはAM1よりもAM2/AM5のほうがより強力な生理作用を示したが、このような現象が他の硬骨魚類でも一般的であることを確認するため、ウナギ以外の種においてもAMファミリーの機能解析を行った。ゼブラフィッシュの受精卵を用いてAMファミリーの各遺伝子をノックダウンすることで、発生・分化におけるAMファミリーの機能を解析しようと試みた。ゲノムデータベースの解析によって、ゼブラフィッシュにはAM2遺伝子が存在しないことが明らかになったため、AM2のパラログであるAM3、およびAM1、AM5の各mRNAに結合するアンチセンスモルフォリノオリゴを設計し、受精卵へのマイクロインジェクションを行った。その結果、AM1およびAM3遺伝子をノックダウンした群では血管分化の阻害が観察された。より顕著な表現型がみられたのはAM5をノックダウンした群であり、この群では頭部の水腫、赤血球の減少、運動性の著しい低下など多くの異常が観察された。現在、これらの部位の発生にかかわる遺伝子とAM5遺伝子との相互作用について解析を行っている。
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Research Products
(5 results)