2009 Fiscal Year Annual Research Report
増幅型光電変換システム開発に向けた半導体ナノ結晶の多重励起子生成に関する研究
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09J08416
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
野々口 斐之 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ナノチューブ応用研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 半導体ナノ結晶 / 光電変換 / キャリア増幅 / マルチエキシトン |
Research Abstract |
本研究では、第1年度に材料合成と評価システムの構築、第2年度に継続して評価システムの構築と材料の評価を計画した。この計画に従い、第1年度として以下の研究成果を得た。 (1)コアシェル型CdS/CdTeの合成とその電荷分離特性の実証 光電変換材料としてコアシェル型CdS/CdTeナノ結晶を新規に合成した。湿式プロセスを利用し、有機溶媒中において界面活性剤と無機プレカーサーを高温で反応させることで目的材料を得た。特定のコア材料(CdS)に対し、シェル(CdTe)の厚みを原子層レベルでチューニングすることに成功し、シェル厚みに依存して異なった電荷分離特性を観測した。また電荷分離型のナノ材料を指向し、ポリピロール/メソポーラス酸化チタンによる有機/無機複合材料を合成した。 (2)CdTeナノ結晶をモデルとした電荷分離機構と光励起状態の相関 光電変換評価システムの構築を目的とし、有機電子アクセプターと半導体ナノ結晶との間で進行する光電荷分離について検討した。具体的には電子アクセプターに1,2,4,5-テトラシアノベンゼン、半導体にCdTeナノ結晶、媒質にイオン液体・1-ブチル-4-メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルフォニルイミドをモデル系として採用し、12Kから室温までの放射速度定数を観測することによって光電荷分離特性を評価した。先行研究(Y.Nonoguchi et al, J.Phys.Chem.C(2008))からCdTeナノ結晶の最低励起状態は2種類存在することが実験的に明らかになっている。本研究ではこの2種の状態間で、外部との電子移動反応の速度が異なることを見出した。
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Research Products
(5 results)