2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08429
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
淵田 歩 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | スローライト / 等価屈折率 / 回折格子 / 光スイッチ |
Research Abstract |
空気コアをサブ波長回折格子(HCG)二層で挟んだ中空導波路における低分散スローライトの検討を行った.光がHCGにより反射すると位相シフト-Φ_<HCG>が生じるが,この場合のスローライトの生成要因は主にHCGでの反射時における遅延量τ(=∂Φ_<HCG>/∂ω)によるものである.この遅延量τの時間依存性を小さくするようにHCGを設計すると低分散スローライトが実現可能である.計算結果では損失10dB/cm以下では群屈折率7-8,15nmの波長帯域をもつ低分散スローライトが得られた.今回は単純化のために中空導波路を考えたが,コアを半導体やポリマーとすると屈折率制御が可能になるため,低分散スローライト光スイッチへの応用も可能である. また,三次元導波路のない全反射型光スイッチを作製し,電流注入時の特性を測定した.電流を注入していない場合(OFF)では光はそのまま直進し,電流注入を行った場合(ON)はアパチャー部分の等価屈折率が減少し,入射光は全反射を起こす仕組みになっている.今回はカットオフ波長を1550nm,反射境界面に対する入射角度を20度とした,測定では電流注入量が増加するにつれて反射光強度は増大し,透過光強度は減衰した.また,カットオフに近い波長ほど反射光強度の増減は大きく,波長1530nmから1535nmになっただけで10dB以上もの変化が得られた.通常の電流注入による1%程度の材料屈折率変化だけではこのような大きな角度での全反射が起きることはなく,また5nmの波長シフトで反射率が大きく変わることもない.これより,カットオフ波長近傍においてスローライトによる等価屈折率変化の増大が確認できた.この原理は全反射型だけでなく,MMI型やマッハツェンダー型など様々な光スイッチの小型化が可能にするものである.
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Research Products
(5 results)