2010 Fiscal Year Annual Research Report
認知発達過程におけるやりとり遊びの動的モデルと社会的ロボットへの応用
Project/Area Number |
09J08508
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗山 貴嗣 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 共創コミュニケーション / やりとり遊び / 社会的知能 / 人・ロボット・コミュニケーション / 認知発達ロボティクス |
Research Abstract |
本研究は1歳程度の乳児と養育者の間で行われるやりとり遊びを手本に,やりとりを共創する社会的ロボットの設計論の提案を目的としています.昨年度の成果は,1.やりとり遊びロボットのプロトタイプ製作,2.やりとりの一般化手法の提案,3.情動表出のやりとりへの影響検証,4.プロトタイプを踏まえた1歳児乳児型ロボット製作,に大別されます.1.について.既にシミュレーション上にやりとりルールを共創するロボットモデルを実装していますが,実世界でのやりとりに向けて,プロトタイプとして簡易的な実機ロボットを製作して被験者実験を行い,実機でもやりとり遊びが起こるのを確認しました.2.について.今までは「ボール遊びをする」という設定に限っていました.しかし,やりとり遊びはボール遊びに限られず,やりとりしているその場で共創されるものであります.やりとりに関係のある対象を事前に決定せずに,たくさんのセンサデータの中からやりとりに関係のある部分を抜き出すことで,やりとりに一般性を持たせる手法の提案を行いました.3.について.やりとり遊びのやりとりルール以外のもう一つの側面である注意・興奮の維持・共有に着目し,ロボットがやりとりに合わせて情動表出することがやりとりにどのような影響を持っているか検証しました.具体的にはロボットは相手が予想通りの動きをしたときに笑い声を出すことで相手が反応しやすくなり,やりとりが促進されることが分かりました.4.について.プロトタイプとして製作したロボットではモータむき出しの外見のロボットであったため親しみを持ちにくく感情移入しにくいとの意見がありました.これを踏まえ,実際の1歳児の服を着せアニメ様の顔を持った乳児ロボットを製作し,一般の方を対象に動展示を行いました.その結果,長くロボットと付き合って遊ぶ人が増え,今後の研究プラットフォームとして機能することが確認されました.
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Research Products
(2 results)