2009 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルな感染症対策ネットワークの構築可能性について-ブルーリ潰瘍を事例として
Project/Area Number |
09J08622
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
新山 智基 Ritsumeikan University, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ブルーリ潰瘍 / 顧みられない熱帯病 / NGO / 国際協力 |
Research Abstract |
本研究では「顧みられない熱帯病」問題の1つである「ブルーリ潰瘍」を取り上げて、グローバルな感染症対策ネットワークの構築可能性について考察することである。当該年度では、ネットワークの構築に向けて、まず、ブルーリ潰瘍問題を取り巻く状況を把握した。 2009年10月には、WHO感染症部門ブルーリ潰瘍問題主任(Coordinator, the Global Buruli ulcer Initiative, Communi-cable Diseases)であるキンスリィ・アシエドゥ(Asiedu Kingsley)博士が来日し、松丘保養圓100周年記念式典(「松丘ファンドとブルーリ潰瘍の子供達」)、神戸国際大学(「ブルーリ潰瘍と理学療法(Buruli Ulcer and Physiotherapy)」)、国立感染症研究所(「Buruli ulcer Disease : Present situation and what remains to be done」)の3ヵ所で講演を実施している。これらの講演会を聴講したのに加え、キンスリィ・アシエドゥ博士に同行し、インタビュー調査を試み、ブルーリ潰瘍に関する最新の医学的な情報や感染地域の現状、理学療法・リハビリテーションなどの情報を得ることができた。 また、2010年3月には、トーゴ共和国・ベナン共和国の流行国への現地調査及びブルーリ潰瘍対策専門家会議(WHO Annual Meeting on Buruli Ulcer)での報告を行った。 現在、ブルーリ潰瘍は西アフリカ地域や日本を含む32ヵ国で確認されている。WHOでは、1998年から本格的な支援が開始され、NGOの支援も実施されてきた。WHO、政府、NGOの3者の協力・ネットワークの構築は、現在起っている問題に対応するために必要不可欠である。
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Research Products
(6 results)